テンダーフット主催 中山裕二&ファミリー送別会

「さよならユージ」

2006年5月20日()19:00 日航ホテル内レストランMEI


2006年5月末日、テンダーフットを愛した男がまた一人ジャカルタを去って行く。別れを惜しむテンダーフットの仲間達によって、今までにお目にかかった事の無い型破りな送別会が用意された。




アメーバの如く不気味な増殖を続けるテンダーフットグループの主宰者・宮島伸彦が今回のイベントのメインディッシュとして送り込んだのは、結成間もないジャカルタ軽音楽部の筆頭バンドONE PIECEだった。軽快な「ジェシカ」の演奏と共に送別会の幕は上がった。響き渡る澄んだエレキギターの音色、テーブルを振動させるビートの効いたドラム、一瞬にして会場のざわめきは静まった。



コンペ1番ロングホールのティーショットは、そこそこの距離でフェアウェー真ん中に落ちた。よしっ!宮島は、人に見られないよう右手で小さくガッツポーズをした


いよいよ本日の主役、中山裕二&ファミリーの入場である。出席者全員が盛大な拍手と笑顔で迎えた。

先ずは、テンダーフット西本ゴルフ塾を代表して、右手の負傷でゴルフ休業中の師範代行・中川が開会の挨拶と乾杯の音頭を取った。

挨拶冒頭、めでたい席でいきなり中山氏にゴルフ塾落第の宣告、しかし同時に永久塾生として末永くテンダーフットの仲間である事を確認した。飛び入りで、西本塾長(写真のみ)から「練習する人には敵わない」の教訓と“愛”の一言も贈られる。


Ok、Ok、フェアウェーを歩く宮島は左手でも小さくガッツポーズをとった。

 
暫しの食事タイムの後、ONE PIECE+中山裕二のバンド演奏が始まった。

曲目は、中山の好きなサザンオールスターズのナンバーから「太陽は罪な奴」・「シュラバ★ラ★バンバ」・「勝手にシンドバッド」の3曲。

この日の為に何度も練習を重ねた演奏は、最高に近い出来栄えではあったが、会場の反応は鈍く、不思議な緊張感が漂った。ツインボーカルを務めた中山本人も戸惑い気味。焦るボーカル・裏番トシ。。。


気合の入りすぎた第2打はチョロった。またか、、、宮島は早くも肩を落とした。 

続く催しは、テンダーフットが誇る天才マジシャン・竹内の登場。相変わらず切れの良いマジックに加え、確実に話術も上達している。ルックスの良さも武器だ。


キーウィの中にお札を瞬間移動させる技には、出席者の誰もが驚嘆した。種を明かせ!との皆の心の叫びを尻目に、満足げに竹内は去り、次の出し物が続く。


第3打は素晴らしいジャストミート音を残して、グリーンめがけて飛んで行った。あれ?当たっちゃった、宮島は内心の喜びを隠し、ビアサ・ビアサと言いながら、また歩き出した。もしかしてパー取れるかも、とほくそ笑みながら。


テンダーフットで1,2を争う美声の持ち主・トウちゃんの「さそり座の女」+仮面ライダーショーの始まりだ。歌い上げるトウの傍らから、恥じらい気味のショッカー軍団の乱入、笑いに混じって“キモイ! 可愛い!”等の声が飛ぶ。今時の流行り言葉では、褒め言葉か? そこへ、中途半端に仮装した中山仮面ライダーが登場、お馴染みさそりおかまとの対決シーンだ。「何で日本に帰るのよ〜」さそりおかまの予想外の口攻撃に、中山ライダーは気絶した。無意識の中で、か、か、帰りたくないんだ・・・そう思っていたのであろうが、心配げに見つめる家族をチラリと伺うと、質問を全く無視して言った「翔太郎のためにもオマエを倒す!!!」中山ライダーがさそりおかまを踏み倒し勝利のポーズ。だが、完全に滑った。意味が分からない。誰もがどう反応して良いのか迷った。


 

そう、ナイスショットの第3打は深いガードバンカーにつかまっていたのだった。ううっ、宮島は唸った。こんなバンカー練習してないよ〜。

 

中山裕二クイズと友人たちの送別の言葉の後、ONE PIECEの演奏第2部が始まった。昨年テンダーフットの有志が耳と手にタコが出来る程練習したあの「風になりたい」のリメイク版、そして勝手にエリーの替え歌「さよならユージ」。テンダーフットでの思い出を辿りながら感動の終盤へと向かう筈であったが、会場は何故か静まり返った。


パーを取るには失敗できない第4打だったが、やはり出ない。あ〜、やっちゃた。宮島は練習と経験の不足を痛感させられた。

 

続いて、中山がジャカルタで最も愛し歌いこんだ曲「雪の華」を熱唱。ONE PIECEが奏でる悲しげなギターの音色と心地良いパーカッションの響き。中山は完全に自分に酔って行った。そして、奥様がステージ上へ。夫婦でのデュエットが始まった。何とも言えない良い雰囲気だ。ああ、この時ほど、天井から雪が降らないかな〜、と思った事は無かった。歌い終えた二人に割れんばかりの拍手喝采が巻き起こった。


その時、テンダーフットの宴会部長・相場の一声“アンコール、アンコール”。ONE PIECEが持つ唯一のオリジナル曲「ブロックMの女」だ。軽音楽部部長のモッチーが吠え、飛び跳ね、そして、、、転んだ。会場はノリノリのビートと爆笑に包まれ、緊張感は興奮へと変わった。


第5打、真っ白になった頭の中で西本師匠の言葉を思い出した。力を抜いて振りぬくだけ、、、。クラブヘッドは見事に砂を切り、ボールをカップ方向へと運び出した。入ってくれ〜!宮島は祈った、、、。

 

会もいよいよクライマックス。

主催者・宮島伸彦が最後の挨拶に立った。何を話せば盛り上がるのか、感動させられるのか、そして彼への友情と感謝の気持ちを伝えられるのか。大きな会を主催したプレッシャーに耐えながら言葉を探していた。と思いきや実は本人、ビールとワインを浴びるほど飲み、陶酔しきっていた。(

「これだけの人を集め、送別会をいいものしようとやる気にさせた中山君が、ジャカルタで本当に「いいつきあい」をしていたことがよくわかります。
一期一会の大切さを教えられました。ありがとう、中山君・・・

 

最後に、中山自身が別れの言葉を述べる。感動と興奮と酔いのせいか、呂律が今ひとつ回っていない。しかし、彼の心のこもった言葉に、皆が彼の感謝の意を汲み取り、一緒に遊んだ事を思い出し、彼が仲間で良かった、と思ったに違いない。

中山裕二、初めての土地でストレスの溜まる赴任後の一年、どうなるのか不安で一杯だった。テンダーフット、それは異国の地で堅い役所仕事を黙々とこなさなければならない彼にとって戦士の休息の場、そして、これからも彼の心の支えとなってくれる戦友を探し当てる場所であったのかも知れない。

中山裕二、ジャカルタでのお勤めご苦労様、そして有難う!

 

一直線にカップに向かうボール、はっ、はっ入った!! と、宮島は思った。


中山から参加者に記念品が配られ、最後に軽音楽部のアコースティックバンド、アコギ商会による「贈る言葉」の演奏でフィナーレを迎えた。果たして、これはショーなのかバックグラウンドミュージックなのか? バンドメンバーによって淡々と演奏される「贈る言葉」。しまった、ちょっと工夫が無かったか。。。

 

沈みかけたボールは、カップの縁を2度舐めると、無情にもこぼれ出てしまった。

「OK」、誰かが小さく言った、「ナイスボギー、なかなか良かったよ」


奇跡のパーを願った宮島の思いは届かなかった。しかし、彼の顔には満足の表情が浮かんでいた。そして、バンカーから踏み出す時には、早くも2番ホールでのバーディーを夢見ていたのである。(完)

 


(記事・ヤンノリ)




<< Back